薬剤師の転職時の雇用形態

ここでは「薬剤師の転職時の雇用形態」について解説します。

正社員

長引く不況の中では、転職者にとって最も望まれる就業形態は正社員でしょう。これは国家資格を持つ薬剤師であっても、同じです。もちろん正社員だからといって、ずっと仕事が保証されているわけではありません。実際に「この企業は安定」と思われていたような大企業であっても、リストラを行ったり、あるいは倒産に陥ったりということが頻発しているのが現在です。しかしそれでも、正社員には他の就業形態とは異なるメリットがあるのです。

まず正社員は、就業先から「雇用」される立場の社員になります。これは、派遣社員などと最も異なる部分です。正社員は雇用されている限り、会社から給与支払の保証をされているとも取れます。また業績によって賞与があるなど、給与面での待遇もあついでしょう。さらには福利厚生が充実していたり、休暇取得に関して制度が設けられていたりといったことも、正社員だからこそ受けられる恩恵といえます。また社会保険や厚生年金の加入もあり、「正社員=安心感」という構図は不況下であっても揺らぎません。

また正社員として入社すれば、雇用側は無碍に解雇を行うといったことはできません。派遣や契約社員などでは「いつ契約をストップされるか分からない」という不安と常に隣り合わせですが、正社員であれば、よほどのことがない限りそういった不安もないでしょう。

逆に雇用側も、薬剤師などの専門職は正社員で採用したいと考えるケースが多いのが実情です。なぜなら雇用側としても、薬剤師には長く就業してほしいと望んでいるからです。採用活動を何度も行うのはコストもかかりますし、せっかく環境にも慣れて戦力となった社員を手放すのは、惜しい。また薬剤師は決して無限にいるわけではないので、できることなら長期的に抱え込んで雇用しておきたいと考えるのです。

派遣は契約社員が雇用側から契約更新のタイミングで契約を終了できるように、逆に就業している社員側も、同じく契約更新のタイミングで「これ以上は就業しない」という決断を下すことができます。そうしたリスクを回避するためにも、福利厚生などを充実させて薬剤師を正社員として雇用することは、大きなメリットがあるのです。

もちろん、家庭事情などで正社員としてフルタイム勤務はできないという方もいるでしょう。しかしそうでないのであれば、安易に派遣や契約社員でもと考えてしまわずに、できれば正社員での採用を目指していく方が、無難といえるでしょう。

パート

薬剤師の働き方は、実に多用です。例えばドラッグストアや調剤薬局では、パートとして働くという選択肢もあるでしょう。結婚や出産などでフルタイムでの勤務が難しい状況になれば、パートは一番働きやすい就業形態といえます。

パートであれば、勤務は週2〜3日程度でも可能でしょう。さらに勤務時間についてもフルタイムではなく、数時間単位で調整を取りながら受入れてくれる職場も多くあります。あるいはドラッグストアであれば、現在はほとんどが365日営業になっています。平日ではなく土日の方が時間を取れるという方には、土日を中心に勤務スケジュールを組むことも可能なのです。

薬剤師として働く人の中には、女性も多くいらっしゃいます。そうなれば、どうしても結婚や出産といったことが訪れる可能性はあるでしょう。中には収入が減ってしまうことを懸念して、なんとか働きたいと考える人もいます。あるいは薬剤師については、専門性のある資格・職業であるという特徴もあり、「資格を活かした仕事でブランクを空けたくない」という思いを持つ人も多いのです。薬剤師には、例え結婚や出産を経てもまた薬剤師の資格を活かして職場へ復帰したいと考えている人がたくさんいらっしゃいます。

知識というものは、どうしてもブランクが空くと薄れてしまいます。働いていた頃は当然のように行っていたことが、数年ブランクを空けるだけで上手くできなくなることもあるのです。そのため、例え就業場所が変わったとしても、薬剤師資格を求められる職場で何かしら仕事をしておきたいという考えが生まれるわけです。そんな人にこそ、パートはまさに最適な就業形態といえます。

ただしパートでは、場合によって対応できる業務に制限が生まれることもあります。どんな職場にも、様々な事情でどうしても「社員にしか任せられない仕事」というものがあるのです。例えば重要な企業情報を扱う場合や、決断を含んだ全体のコントロールなど。ときには、自分より経験の浅い社員から指示を受けなくてはいけないといったケースもあるでしょう。慣れないうちは、そういう環境変化にストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。パート勤務を選ぶ場合には、「これまでと、全く同じ立場で仕事ができるわけではないのだ」ということを、あらかじめ肝に銘じておくことが大切です。場合よっては仕事内容そのものより、家庭などと両立できているという環境に焦点を当てて、そのメリットを感じながら取り組むという考え方も必要でしょう。

派遣

最近ではすっかり定着した、派遣という働き方。薬剤師の就業においても、この派遣就業という形態は増えています。しかし正社員や契約社員などと比べると、派遣就業は異なる点が多くあります。安易に派遣就業を決めてしまうのではなく、あらかじめ予備知識を持っておく必要があるでしょう。

派遣という就業形態は、就業先の企業や医療機関などとの間に雇用関係はありません。雇用関係は、あくまで派遣元となる派遣会社との間にあるのです。給与の支払なども、派遣元から行われます。そのため派遣での就業を希望する場合には、まず派遣会社へ「登録」する必要があるでしょう。この登録には、ほとんどの派遣会社で決った手順があります。まずインターネットや電話などで連絡を入れ、実際に派遣会社へ行って面談登録を行うのです。この際に薬剤師の場合には、薬剤師免許のコピーが必要になります。薬剤師免許を持っていることを証明しなければ、薬剤師しか行えない業務への派遣はできません。

登録を行うと、その場、あるいは後から求人情報を紹介されます。就業先名や給与、勤務時間といった詳細情報をもとに、働きたいかどうかを回答します。しかし、いくらあなたが「働きたい」といっても、100%そこで働けるわけではありません。多くの派遣求人は、複数の派遣会社に出されています。そのため先に手を挙げた薬剤師がいれば、先に就業者が決定してしまうことがあるのです。派遣会社の独占求人というものは、今ではほとんどないでしょう。

また就業の前に、もう1つ注意があります。それは、派遣先(求人元)との「面談」です。恐らくほとんどの場合、就業前に面談が実施されるでしょう。もしくは派遣会社によって、「顔合わせ」「打合せ」という呼び方がされることがあります。ここで覚えておくべきことは、派遣の場合は面接選考をしてはいけないということです。しかし実際には、面接に近いような行為が面談で行われていることもあります。これは派遣法違反ですので、そういったことが行われないかは事前に良く確認を取っておいて下さい。

いざ就業開始となれば、あなたは直接派遣先に出社勤務することになります。ただし多くの場合、派遣は3ヶ月程度の更新制となります。契約終了の1ヶ月前までに派遣会社から連絡が入り、更新したいか、つまり継続して就業したいかの意思確認をされるでしょう。ただし契約ですので、場合によっては「もう就業しなくてよい」と派遣先側から言われてしまうこともあります。こうしたリスクがあるのも、派遣という就業形態の特徴です。

契約社員

雇用形態の中には、契約社員というものがあります。薬剤師の転職も含めて、最近は契約社員で求人を出す企業や医療機関なども増えています。その背景には、やはり不況という問題があるでしょう。

正社員とは異なり、契約社員は一定期間の雇用契約期間が決められています。その多くは、6ヶ月・1年・3年のいずれかになるでしょう。この契約期間が満期になると、その後も継続就業するかどうかを改めて決めることになります。この点は、派遣就業の契約更新に似ているかもしれません。あなたが「ここでは、もう働きたくない」と思えば、契約満了のまま退職することも可能です。もちろん継続希望を出せば、また同じだけの期間契約が延びていくことになります。

ただし逆に、就業先もあなたに継続就業してもらうかどうかを決めることができます。例えあなたが「就業したい」といっても、就業先から「もう契約は終了です」といわれれば、継続就業することはできません。お互いが選べるということですが、長く働きたいと望む人にとっては、この点が契約社員のデメリットとなるでしょう。

不況の影響で、企業や医療機関もなかなか将来を見据えた経営戦略が立てられなくなっています。リストラが多く騒がれているように、企業が資金難となってしまえば、いずれそうしたリストラ政策などをとらざるを得ないのです。しかし雇用側としても、せっかく社員として頑張ってくれている人をリストラすることは、本意ではないでしょう。そのため、最初から長期就業を前提とした正社員ではなく、契約社員として採用を行うことが多くなっているのです。

但し契約社員採用の中には、正社員登用の可能性有りとしているところもあります。本当に良い人材であれば、契約社員より正社員として抱えておきたいというのも、雇用元の考えなのです。なぜなら契約社員の場合は先に挙げたように、例え雇用元が「もっと働いていて欲しい」といっても、社員側から退職を決めることができてしまうからです。そのため正社員を目指している方でも、契約社員からのスタートは1つの選択肢として考えても良いといえるでしょう。

正社員と契約社員とでは、給与や福利厚生面にも多少違いが生まれることもあります。例えば得られる手当が異なったり、福利厚生サービスの利用範囲に差があったりといった具合です。もちろん同一にしている場合もありますので、事前に確認しておく必要があります。就業してみたら、隣に座っている正社員と大きな差がある・・・というのでは、モチベーションにも関わってくるでしょう。

紹介予定派遣

最近では、紹介予定派遣での求人も増えています。薬剤師の転職においても、特に林総開発関連の業種で、この紹介予定派遣が増えています。

紹介予定派遣については、まだ馴染みのないという方もいらっしゃるでしょう。紹介予定派遣とは簡単に言えば、「雇用を前提とした派遣」です。最大6ヶ月までの派遣期間を持ち、それ以降は派遣先からの直接雇用として採用がされます。いわば、この派遣期間は「見極め期間」なのです。但し場合によっては、派遣期間で終了となり雇用に至らない場合もあります。

臨床開発分野で紹介予定派遣が多い理由は、就業環境の特殊性が挙げられるでしょう。例えば薬局やドラッグストア、あるいは医療機関などで働いていた薬剤師にとって、臨床開発はまさに異質といえます。もちろん業務そのものも未経験であり、場合によっては入社してから「なんだか違う」と感じて退職してしまうこともあるでしょう。

臨床開発では、製薬メーカーやCRO,あるいはSMOなどでも未経験採用が多く行われています。業務が未経験でも、薬剤師などの医療資格を持っていれば良いというわけです。しかし就業環境の変化で早期離職のリスクなども大きく、その予防策として紹介予定派遣が取り組まれているのです。

紹介予定派遣は、薬剤師側にとってもメリットがあります。派遣期間で見極めを行えるのは、何も採用側だけではないのです。特に未経験の職種へチャレンジする場合には、不安もあるでしょう。「本当にこの仕事が合っているのか」「この職場は、合っているのか」など、派遣期間で見極めることが出来ます。合っていない仕事に正社員などで就業してしまっては、後から苦労するだけです。これからを考えるためにも、派遣期間は非常に良い期間といえます。

ただし派遣期間は、あくまで派遣社員です。給与は正社員と比べて低くなりますし、福利厚生なども受けられません。また先に挙げたように、派遣期間を勤め上げても100%入社できるとは限りません。また通常の派遣が面接などの選考行為を禁止されているのに対し、紹介予定派遣は「雇用前提」という特性から、選考行為が可能です。派遣期間に入る前に、面接などで不採用になる可能性があることは、あらかじめ覚悟しておきましょう。派遣期間も、ある意味では選考の一部と捉えられます。また紹介予定派遣で就業する場合には、派遣会社への登録が必要になります。例えば派遣ではなく人材紹介のみを行っている人材紹介会社では、紹介予定派遣は扱っていません。こういった点も、求人情報を探す前によく確認しておくと良いでしょう。


▲このページの上部へ
Copyright (C) 2011-2018 薬剤師紹介会社おすすめランキング【※2018年度版更新中】 All Rights Reserved.